ピュアオーディオの世界
ピュア・オーディオはHi-Fi(high fidelity:高忠実度)と違う何かのようです。
Bones Notes DRESSING付録本(ONTOMO MOOK)
パイオニアの発売しているUSBポートに挿す事で音質が改善するという不思議デバイス。
BonnesNotesというAV部門に新たに発足したブランドで音響本体ではなく、インダストリアル・ソリューションズ部が手がけているブランドです。元々、この部門はDVDやBlu-Rayのドライブを手がける部門だったのですが、オッサン世代には懐かしい1980年代のオーディオ最盛期に活躍した大ヒットオーディオ機器設計を手がけた同部門に在籍の担当者が開発し、5年の社内での戦いを経て発売された物だとか。
ノイズを抑えて音質を改善するというこのDRESSINGというデバイスですが、USBポートに挿すだけで良いという売り文句。私的には甚だ眉唾臭く思え、その効果は本当にあるのか?という疑問しか浮かばないのですが、世の中の「ピュアオーディオ」を求める人たちにはかなりの人気があるらしく、DRESSINGが付録のStereo紙のONTOMO MOOKとして発売された書籍(上記写真)はAmazonストアで初日完売という異常な人気ぶりだそうでオークションサイトで転売が続出。知り合いのショップで購入時に「転売しないで下さいね〜」と念を押されるくらいの代物だそう。
とかくピュアオーディオの世界は外から見るとオカルトとしか思えない状況があり、本質と外れている部分が多々あるのでは無いかと。曰く「高い機器は良い音につながる」。真理の一部だとは思いますが、「良い音がする=高い機器」という十分条件はありますが、「高い機器=良い音だ」という必要条件は違うのではないかと…。
このDRESSINGも最高クラスはケースがアルミ削り出し+ロゴ彫刻など手間のかかったもので、手作り受注生産もありますが10万円もするのです。高けりゃ良いってものでは無いと思うのですが…。まあ、ブランドの値付けと購買ターゲットが巧くマッチした商売の例だろうと。
さて、件のDRESSINGを試用してみました(MacBook Pro+iTunes/44.1kHz 非圧縮AIFFを再生)が、正直なところ「???」で、私のような耳あかの詰まった聴覚(笑)は話にならないほどダメなようで違いを聴き取ることができませんでした。そもそも非同期なデジタルデータストリームのノイズを抑えて、全く回路的に離れているアナログ出力の音が変わるのかという点が最大の疑問点なのですが。
社内で試してみたいという奇特な人がいらっしゃればお貸ししますのでお声かけください(笑)。
(電子工作部)
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