SACLA

連休中に理化学研究所の大型放射光施設SPring-8およびSACLAの年に一度の施設公開がありましたので行ってきました。

SACLA加速器棟

2012年に初めて一般公開されたXFEL(X線自由電子レーザー)施設であるSACLAですが公開されたのは光源棟と実験ホールだけで全体公開は今まで行っていません。今回はその全体を見る事ができるという事で期待に胸を躍らせながら見学に臨みました。

直線加速器

電子塊を打ち出す電子銃から加速空洞の並ぶ加速器エリア、ビーム分岐部から全て見ることができました。SPring-8では電子を直線加速器で1GeVに加速したのち、シンクロトロンで8GeVまで加速するのですが、SACLAでは写真の直線加速器で電子を一気に8GeV(光速の99.9999998%)まで加速します。

公開初期の光源棟は空きエリアがほとんどでしたが、現在はビームラインが追加され、実証実験に使われていたSCSSを移設増強したビームラインとあわせて計画されているビームライン5本のうち3本までが埋まっています。

光源棟:2012年4月の公開時

光源棟:2018年4月の公開時
(真ん中が初めのビームラインBL3、右側が増設のBL2)

今回の公開で設備の端から端まで初めて見学でき、実際の装置群を直接見ることができました。また説明に担当されている研究員の方達からも運用における苦労話など大変有意義なお話も頂きました。
巨大科学と言われる大型放射光施設は装置も大型ですが施設そのものがどれも大きく、見学で歩き回るだけでもかなり歩きます。SACLAでは全長700m、SPring-8では蓄積リング棟を1周すると1.5km弱あり、そもそもの広い敷地内の移動も含めると見学で数kmを歩いています。

世界最高性能クラスの放射光設備であるSPring-8とSACLA。今後の益々の活躍に期待がかかります。

(電子工作部)

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