何時か壊れる

ストレージ機器は必ず寿命があって何時か壊れる物です。


私の部署の運用機器ではないのですが外付けHDDがマウントしない(見えなくなった・認識しない)と持ち込まれてきました。
まずは挙動の確認。筐体のまま電源を入れるとHDDのスピンドルの回転が始まり、起動途中で完了する前に回転が停まります。どうやら起動シークエンスの途中でHDDの電源断が起こっているようです。
まず電源に使われているスイッチング式ACアダプタが劣化してHDD起動時の突入電流に耐え切れないのかと試しに別の物に取り替えても同じ症状。

こうなると製品の保障期間が過ぎているので躊躇せずバラして確認してしまいます。
電源を入れてからスピンドル停止までの間に電源電圧が変化していないかDCジャックの入力部をテスターで電圧測定してもちゃんと規定電圧が出ていましたので元電源でない事が確定。

幸いにしてバラして取出したHDDを別の外部ケースに入れ直して通常動作する事を確認したので、そちらは念のため別に用意した外部HDDへバックアップ作業を行い、現場にその外部HDDで返却。

調子の悪い機器に別のHDDを装着しても同様の動作を再現したので電源を含めた制御基板の不具合が原因のようです。基板はチップ部品と表面実装デバイスのオンパレード。電解コンデンサの液漏れとか基板の焦げとか判りやすければまだしも、USB-SATA変換デバイス等の多数の部品の中から不具合のデバイスを見つけ出して取り換えれば修理可能はあり得ますが今回はかける労力に見合わないと判断、修理不能として廃棄しました。

外部ストレージの不具合ではHDD本体の不具合に遭遇する事もありますが、たいていの場合は電源のトラブルが原因で使えなくなる事の方が遭遇事例回数としては多いのです。
経験的には一番の情報保全措置はRAID1のミラーリング。搭載したHDDが同時に2台とも故障しない限り、ほぼ全てを救出できます。ただし、まれではありますが、RAIDのコントローラーが死ぬ時があって、そういう場合は完全にお手上げで、データの救出はほぼ無理。

重要なデータは堅牢な運用ができる機器で「バックアップを保持しておきましょう」という教訓が思い起こされる事例でした。

(電子工作部)

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